好きのその鏃と末矧

好き

 

その意味にどれだけの容量と熱意と希望が込められているのだろうかとときどき考えることがあります。

どれほどのトキメキなのか、痛みなのか、欲求なのか。

 

それがわからないまま大人になろうとしてる。

 

僕には一度だけ、たった一度だけ、心の底から好きだと言える人がいました。片思いで終わったその期間、その人の為に尽くした時間でした。それなのに、

 

好きだと言えなかった

 

なんでだろうって、何度もチャンスはあったのに、今更になって考えるんです。

それからいろんな経験をしたけど、同じような感情は二度とは起こってないんです。

ただただ身体を貪っていく形なき衝動に身を任せて、いいことなんてなに一つなかった。毎日が苦しくて、泣いて、泣いて、泣いて。誰かに相談できたら少しは勇気が出たのかなって。

 

その影響からか分からないけど、なにもしていなくても暇な時とか一人でいる時に感じてしまうんです。心臓に沁みる痛みが。じゅわっと感じたらさいご、後遺症みたいに適度にやってくるんです。

 

ほら…今だって

 

自分の気持ちなんて、本当の気持ちなんて誰にも打ち明けたことないから、言葉が纏まらないんです、ごめんなさい。

 

今後誰かを好きになることなんてあるんでしょうか。そりゃキュンとすることはあるけどそれが好きなのかって言われたら、?ってなってしまう。まだそんな歳でなに言ってんのって言われますが、そういうことじゃないんやよ、分かってよ。お願いだから。頼む。

 

最近ね、この人と一緒にいたいかもって、思える人が現れたん。久々に感じました。沁みるんやなくて、なんていうか、体がふわっとなるような胸の弾み。その人は僕とは正反対の、煌びやかで爽やかで艶やかで。正直合わないなと思うことの方が多いのにどこにキタのかわかんない。その時ふと思った、

 

これが好きになることなのかなって。

 

でも前提に僕はダメ人間だし人を好きになっちゃいけない存在ってのは認識してる。だってこんなやつ誰も好きになんてならないから。本当の気持ちなんて誰にも打ち明けたことなんてないから。

 

こんな自分じゃダメだって分かってる変わりたいって思ってるだから、

 

 

一点光った鼓動に、好きという矢先を向けたい。